『ご近所の殴りクレリック 戦鬼ウルスラの後悔』読了

img_2738電撃文庫から出た奇水先生の新刊をようやっと読みました。最初は頭カラッポにして通読! そして読み解くようにもう一回。一読目の感想と、二回目の感想は、方向性は同じでしたが、やや考える物に。

主人公である、もと『戦鬼』であるウルスラ。そして物語を通して追う『剣匠』アルナルド。かつて必要とされていて『そう』であった者たちの、いまは『こう』である現状というものを背負ったこの二人を軸に、同じく昔は『そう』だったが、いまは『こう』である者たちが集まってきて、「さてこれからどうなろうか」というものを探すお話。

今回どうしても、一読目も二回目も読み手である西紀のバイアスがかなり入った見方をしてしまう作りで、登場人物の多くが、「どこかで見た誰か」、舞台が「見覚えのありそうなどこか」と、脳内で漠然と今の技術の継承・流れ・その他諸々を行間に読んでしまい、唸ること多く。

使える使えない云々、淘汰云々、温故知新、知古温新、色々な問題を抱えた人たちで溢れています。

でもまあ最後は拳ですけど!(あと筋肉)
アルナルドさんもうちょっと二刀流で活躍させてもよかったんじゃないでしょうか先生!(っ’A`)っ

とにもかくにも、答えを模索することが答えであり、新しく流れを継ごうとする芽吹きを以て終わるあたりが素晴らしい。
快作。みんな買って読もう!

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