このまえ『剣術抄 新宿もみじ池』の連載が終わった劇画家のとみ新蔵禅士から、「鎌倉中期の刀を買ったったwww 見に来いやwww(意訳)」といったメールが届き、仕事場であるご自宅に遊びに行きました。
剣術家であり、体術家であり、剣術劇画の中では随一の作家さんでもあり、実は宗教学者であり、刀剣愛好家であり、実は楽しいおじいちゃん。
そんな禅士の元に「うわー、刀見られるよwww 行くwww 行くしかwwww」と気軽に遊びに行ったのですが、暑かったなぁ。いや先日の土曜日(7/11)ですよ。梅雨明けたかな? 台風来そうだなあ……って時分の。いやほんと蒸し暑かった。
車で最寄りまで迎えに来てくれた禅士はホントいつもと変わらずかくしゃくとしていて。でもやっぱ最近は目がおじいちゃんしてきたなぁ。昔みたいな鋭い目つきじゃなく、ほんわかしてるんだこれが(罠です)。
しばしの雑談……と思いきや、話の流れで柔術の稽古が始まります。
禅士のご子息(これまたそっくり)と挨拶を交わしつつ、ハエの目の稽古が始まりました。
「話がそれすぎましたナ、刀見に行きましょう」
といって、拝見したのが――。
観賞の味わい方をレクチャーされながら、他の味わい深い幕末の作刀から時代を遡りつつ、こちらの古刀を三振り。
写真下のものはチトはばかりがあるので銘は明かせないのですが、「これ、まあ、間違って折り紙ついてしまったら、3本ですわ」とのこと。俺ン家買えちゃうんですがと苦笑したら、「ないない、これは鑑定違い。いっかい協会に持ってくけど、ないない、ないない」とのこと。
写真中央のもの。こちらはなんとあの有名な(いやゲーム創作含めホント有名な)、伊勢の刀工、村正の流れ。初代の甥であったとされる正真の作品だとか。「いや~、禅士、これ欲しいっす」と言ったら「カカカ、高いで~」って笑われたけど!
ちなみに村正の特長は、刀身の根元のほう、ハバキのほうにある――。
スゥーっときて、スッとくる山! ここ! このエアーズロック!
これが特徴だそうです。
写真一番上の刀は、備前助依。詳しくは禅士のブログのこの記事見てね♪(丸投げ) いやあ、「鎬から見える、こんな! こんな模様見えまっか? いやあ、見えたら大したモノだ! と10分くらいじっと見ながら、見えた気になっちゃうあたり俺も調子がいい。「じゃあ、こんな……紫っぽい黒いの、なにかみえまっしゃろ。これが見えたら最高」というので、俺にも見えました!(たぶん)
正味、一時間半、ゆっくりと観賞しました。
反りの深い脇差しとか、やっぱかっこいいなぁ。長巻スリ上げの脇差しも見せて貰えば良かったかな。
で、ひと息ついたら、ハエの目の稽古、柔術の稽古、雑談と! 「丹田力の付け方を教えて下さい」と口を滑らせたら、表の竹林に出て丹田力の稽古、そしてついでだからと襲ってくるナイフを制する稽古、居合いの稽古、真剣での合撃のレクチャー、刀身のネバリの実践と、「とりあえず初段、次から黒帯」と言っていただけました。
刀に釣られたらシゴかれたというお話(っ’A`)っ
その後夕食晩酌しながら雑談三昧。夏の新刊「女子剣雪月花」の中身は間違ってはいなかったなぁと思った日でした。
いやしかし丹田力凄いわ。ほんとに脱力した方が冗談抜きに倍以上の力が出せるのよ。そら加速と遠心力に頼らず充分斬れるよ。理屈だけじゃなく実感した。じっさい俺も出せたし(信じられんかもしれないが)。
あと創作に関しては「ぜひ名作を書きなさい」と。
まわりからのいろんな声もあるけれど、じっくり練ったネバリある作風を確立してくれと。声に左右されるまえに、まずは作家としての丹田力を養えと。
書き続けないとなぁ。いやほんと。
いろいろ実のありすぎた一日でした。
帰宅したらダウンしましたが! これ書いてる日は力の入れかた抜きかたが下手すぎて筋肉痛でしたが! ががが!
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