FAVの数だけ作品の世界観ページ

★現在、6FAV頂いております。
 なので、制作順に6作品の世界観をだらだらと。

FAV1
『鳳雛の騎士』
 第一章は、いかに日本剣術を用いていわゆるファンタジー世界で戦い抜けるかというコンセプトで、とりわけ『魔物』『魔法』などという幻想に近い要素を極力排除した時代劇を意識しました。戦国時代末期の日本、あの国が国を意識してる中の、一国の跡目騒動をと、書き切った感じです。
 第二章はゲームでいうとソーサリアンです。追加シナリオの連続性を意識したファンタジー世界でのキャンペーンシナリオで、『魔物』『魔法』といった幻想を相手にいかに日本剣術を映えさせることができるか。ということをコンセプトにして書いています。
 なので、世界観としては剣術ありきで、その敵として様々なモノを出せるよう、都度、都合をつけて整合性を整えて出しているという感じです。なので、「クライフの刀は日本刀じゃないのか」とか「肩目の老人はどこから来たのか」とか「シズカやアカネの一族の用いる技は忍法じゃないのか」にも、理由がちゃんと用意されています。そもそもクライフが使う異国の剣術も……。まあまだ連載中なわけですが!

FAV2
『鳳凰の剣』
 危機はどんなものであれ、ゲームのように、危機への敵対者である主人公たちが苦労することで必ず倒せる可能性を持って訪れる世界のお話を考えました。このコンセプトは作中でも大きな要素として語られていて、『強い敵が出ると必ず主人公は強くなれる可能性が高まる』ものとして、敵側も相手を刺激しすぎないようなギリギリのところを狙ってくるわけです。逆もまた真で、『主人公が強くなると敵もまた強大になる可能性が高まる』という、ゲームっぽいな~というリアルな世界で戦う主人公たち。
 なので、世界観としてはもうすでに大きい大きい戦いの渦中の中で語られる、日本の中の小さい渦のひとつを書いたものになります。主人公の三十狼はたいへん好きなキャラでして、使い勝手もいいのでまたなんか登場させたいなと思っています。彼は『犬神さんたちと小さい旦那さま』の主人公であるアスカの師匠にあたるんです。

FAV3
『したづみ忍法帖』
 宮本昌孝さんの小説が僕の中では「小説を書きたい」という初期の情熱をくれた要素として凄く大きくて、未完となっているその作品を僕が自分で書きたいという思いが根底にありました。現代ドラマで忍者を出すというコンセプトのもと、その下地は大いに参考に致しました。読み解くほどにキャラ配置も参考にしておりまして、大きく変えたのはキャラの性格の方向性でしょうか。
 企業や組織には忍者が就いていてあたりまえな世界。しかし忍者は忍者、当然派閥もあれば感情も(押し殺してはいるものの)持ち合わせてはいるので、世に知れぬ暗闘も繰り広げられている世界。それをコミカルな一面で楽しんで貰えたらなと。魔法も魔物も(たぶん)ないですが、そこにはなんか忍法や権謀術数がある。しかしそれを打開するのはバカでスケベな真っ直ぐな主人公の少年であって欲しいな~というジュブナイルを意識しました。ぼーいみーつがーる(s)!

FAV4
『ステルスセブン』
 何者にでもなれるんだぞ、というメッセージをあえて強めに込めて書いた、『何者かとして生まれた何者でもない命』のお話。Fateシリーズや魔界転生、R.O.Dの下地がありますが、蘇る偉人たちの戦いというのは夢想するものであります。世界観は総て偉人たちが蘇るための理由と、戦い探り合うための動機付けで構成された現代ファンタジーです
 様々な世にある作品と照らし合わせると、どうやら奇人だらけのサイボーグ009のような下地で007をやるような、どことなく親しみを持ちやすい話になったのではないかと思います。
 個人的にはいちばん続きを書きたいシリーズなのですが、実は『したづみ忍法帖』と同じ世界の話なので、ふたりの隼人が絡むことになるでしょう。ここだけの裏設定ですが。銀子さん好きです。

FAV5
『女子剣雪月花』
 女子高生青春剣術ものです。世界観としては、この物語はこの物語で閉じている完全に現代ドラマなお話です。ただ、『現在の剣術は形骸化したものが多い』という立脚点と『Aでダメといわれたものは、Bではそうでもないよ』という、見方を変えるとどうなるか、という部分を面白く見せるために組み替えた世界観という塩梅となっております。
 執筆当時の自分の剣術観を盛り込みつつ、どのようにして覚えていったか、どのようにして噛み砕いていったのかを、読者にも楽しみと共に読んで頂けたらなというコンセプトのもと書きました。
 温故知新、知古温新の大事さが書き切れたらな~という考えの基、いいものが仕上がったような気がします。現在においての、自分自身の代表作のような気持ちでいます。

FAV6
『なぐるふぁるの鬼娘』
 魂をインクに変えて『現実に災いを為す未完の物語を完結させる』主人公と、それを補佐する文鬼の少女の物語です。
 この世界は人々の遂げられなかった強い思いでしたためられたモノが、不気味な赤い文庫本として世の中に現われます。これを回収して完結屋(=主人公たち)に渡す役回りの者がいて、物語が動き出す……といった具合の世の中になっています。
 短編連作としての体裁を整えていますので、「次はどんな未完の物語が悪さを働くのだろう」「どんな完結屋が他にいるんだろう」「完結や同士で喧々諤々といった対決もあるのかな」などと想像が膨らむような世界です。
 デビルサマナーとコミックマスターJを足して西紀節で書き上げたという、大変気に入っている作品です。フォント芸が凄く大変でした。