先月末に、文芸業界の方々によるプロット会が行われました。
第二回のときに自分は初参加。
今回は提出プロットが2作品。
●小稲荷一照さんの「魔法はわりと身近にある。」
小稲荷さんが、dNoVeLsにおいて連載していた「魔法使いは退屈な商売。」の、サイドストーリーにあたるもので、既存の話があっての、その中の外伝という位置づけの話の……プロット。
キャラクターの今後とか、なんでここにこうしているのかとか、そういった変えられない設定が多く、あまりムリの利かないものになるかな? という手応え。
登場人物は多く、その半分ほどが実際に動くという話であっても、なかなかに多い。
キャラクターたちの特色は見ていると多種多様に飛んでいて面白かった。そして、ではこのキャラクターたちがどう動くのかな? という部分に至ると、茫洋なイメージがぽつんぽつんとあり、どうも今ひとつはっきりしない。
キャラクター全員が斜に構えていて、話に於いて何に目を向けるかという問題から距離を置いているような、読者置いてけぼり感が強かった。
同じ参加者の真乃さんは自身のブログに於いて「ただただ、自分の書きたい話をおしまいに向かって書く」と仰っていたように、それならこれはアリだと思うのです。
プロットとして見せるときに大切な「誰が何をするか」がもう少し分かりやすかったら、ここまで『疑問点を聞く → 小稲荷さんが答える』という流れが多くはならなかったのかもな、と。
ということで、自分たちの班は、『見えにくかった話の本筋を抜き出して、そこから話を作るにはキャラクターの配置や流れをこう変えると分かりやすい』という一点に絞って発表しました。えらい乱暴な意見に聞こえたかもしれませんが。
・プロットの筋のおさらい
これはAという女性キャラクターが物語に後腐れ無く登場していくために、彼女が抱えている解決すべき諸問題を、他のキャラクターが頑張って解決する話。
・ポイント
Aという彼女の特性を引き出すなら、主人公は若い男キャラが良い(だろうという、主人公交替案)。
・長所
キャラクター性の面白さ。設定の多さ。
・短所
どこで使える設定なのか、繁雑なものが多すぎること。それに振り回されていること。「誰が何をするのかわからない」ので、話の筋が分からなくて何を話しあったら良いのかわからない(ので、「プロットの筋を最初に決めました」)。
――というような部分をメインに話し合いました。
●桜沢麗奈さんの「虹降るよあけの前の夜」
すでに第一稿を書き上げている作品のプロットです。
なので、登場人物の紹介と、話の流れと、各段階の着地点が明確で、プロットとして非常にきっちりまとめられている印象が。
人物紹介も話に於いて動く主要人物の紹介ですし、ストーリーラインも誰が何をしてどうなるのかが書かれていたので、全員が『具体的に何をどうしたらいいのか』を話し合える仕上がりとなっていました。
ちなみに、王子を取り合う三角関係と、それぞれのヒロインには怖いお兄さん役がいるという図式。 ああ、マクロスフロ なんでもないです。作者ご本人が二次創作でそちら方面で執筆なさっているので、「ランカはシェリルを一発殴らねばならぬ」とかまぁそれはさておき、『ここはこうしよう』という提案が女史共(敬称)から出るわ出るわ。
胸キュンシーンにするには、ここはこうよ! 的な。
終始そんなことばかり話していました。
・プロットの筋のおさらい
王子を取り合う三角関係。各ヒロインのお兄さんが王子を殴り、選ばれないヒロインが選ばれるヒロインを殴る話。横から邪魔しようとする者たちをその全員で殴る話。
・ポイント
歌と病気と毒。
・長所
まとまりの良さ。
・短所
クライマックスに於いて、ヒロインのコンプレックスやトラウマを克服するチャンスがあるのに、それをせずにいるところ(歌わせろや)。「誰に頼まれた、俺ならその三倍の金を出す!」は死亡フラグ過ぎてというアレ。などなど。
――といった感じでした。
ちなみに四点のピックアップは主催者の指示でもあります。
ともあれ、他の方がプロットってどう考えていてどう(書くのだとしたら)書くのかというのが分かって面白かったです。
次回プロット会は9月予定だそうです。
プロット提出者の伊織さんと、小野さん、楽しみにしております。
俺行けるかわからないっすけど!(っ'A`)っ
ちなみ頼まれていたので、二次会の飲み屋で「ととげき」の打ち合わせなどで使った本チャンのプロットを持っていきました。チラ見した方、あれがああなります。フシギだね!(っ'A`)っ
ということで、ああなったソレ。
↓
ドウジンシ ハ コッチ