いかんせん、制作物の進捗もなかなか煮詰まらなかったので、ふと小耳に挟んだ情報から、表参道にある根津美術館(東京都港区南青山6-5-1)に赴くことにしました。昨日からひと月ほど、展示ホール1.2で『名物刀剣 宝物の日本刀』なる展覧会が催されているとのこと。んで、展示物の目録を見て驚きました。
「獅子王ぉおおおおおう!?」
「三日月宗近ァああああん!?」
「備州長船兼光ゥうううううううぁあッ!?」
とまあ、どのくらいの驚き具合だったかはリンク先のWikipediaをご覧になって頂ければ「あー、うん。すごいんだろうね」といったものが伝わりやすいかもしれずんずん。
人間国宝・天田昭次氏の現代刀を見たときにも衝撃を受けましたが、製鉄法がもはや歴史の波の奥底に消えてしまっている古代日本刀のいにしえの鉄の匂いをまじまじと見てきました。
暗く照明の落とされた展示室に、ショーケース、刀一本に付きふたつの明かり。アクリルの台座に置かれた刀の姿をまじまじと見るためには、刀の中央正面に中腰になり、視線をグルグルと上下左右に、光の角度を変えて刃紋の移り変わりをじっくりと眺め回すのですが――これがもうスーパーひとりEXILE状態という(笑)。
展示場の中は撮影禁止なのですが、もうね、あれです。
備州長船兼光の太刀は素晴らしかった!!
エグザイルスタイルで観賞しながら勃起したよ。
そのほかにも、「へうげもの(モニーングコミックス)」に出てきた、『石田三成が結城秀康に贈った疵のある正宗の太刀』通称『石田正宗』のモノホンが展示されています。鍔元三寸ばかりの所に受け疵がしっかり残っていました。
名工・志津三郎の刀もありましたが、名作「木枯らし紋次郎」の愛刀(志津三郎兼氏)で有名。でもね、いくら主人公だからって股旅者が持って良い刀じゃ無いでしょう(笑)。大大名が持つ刀を持ってたら、ああた! っとまあ、名業物はそれだけに強力なんですよ。
柳生十兵衛が、あの天下五剣のひとつ、大典太光世を振るっていた! なんてのもそれ。一応十兵衛は大名柳生家の嫡男だけど、足利将軍ゆかりの大名物でばったばったと斬りまくっちゃ首飛ぶのは十兵衛さん、あなたのほうよ!? なんて。
まあ、そんな妄想を落ち着かせるために庭園を散歩。
蝉時雨とヤブ蚊の多い中、青い空気を堪能しつつ心を落ち着かせる。大名物の力なのか、構想がカチリと填まり込む感覚。物語の「つかみ」をどうしようか悩みあぐねていたのですが、ポンポコポンと決まりました。決まると芋づる式に「ああしよう」「こうしよう」が出てくる。あとはどんなキャラクターに仕上げていくか。これが難しく、西紀貫之の最大の課題である。
ともあれ、リフレッシュは大事だね。
どうか、最後までがんばれますようにと、先人たちの技術の粋に頭を垂れて帰宅。
今日はもう頭休めて練りに回ろう。うん。
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