●池袋演芸場に落語を聞きに行ったよ!

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110622_1339~01.jpg 昨日5/17は、DJフラに誘われて池袋演芸場に、落語を聞きに行ってきました。
 『実力ある噺家さんたちからキャラ立ての仕方や、マクラから噺への導入や伏線の張り方などを感じ取って欲しいな』というDJフラの意図の元、楽しんで参りました。
 以下、感想などを。

【夜の部】
●落語 三遊亭しあわせ(前座)
同音や似た音の言葉による、とんちんかんな聞き違いと言い間違いの遣り取りが楽しみの肝。主人公たる男が「おせじ」を言って人様から一杯奢って貰おうとする話なのだが、どことなくとんちんかんに言葉を用いてしまい、相手を怒らせたり困らせたり。結局、門前の小僧は習わぬ経を読むが経の意味を知らないということなんだろうなあ。
主人公が「お世辞を言って酒を奢って貰う」という目的を持っており、それに対して導き手たるご隠居さんがいて「こういうお世辞がありますよ」「こう言うときにはこう言うものだ」といった方法を授け、送り出す。その後に『転』たる後半の盛り上がりたる、『子供が生まれたばかりの男と、主人公との遣り取り』があるのですが……。惜しむらくは台詞回しの江戸便が早口――なのはいいが、会場の反響を考慮に入れていなかったのか、主人公の高めに出す声が聞き取りにくかった。滑舌もあるのだろうが。緊張すると普通の人も、電話などで早口になってしまうことがあるが、アレなのかなあ。その肝たる部分が分かりにくく、サゲに至るまで急ぎすぎたのか、締めの部分は早口が顕著で、なにがどうなったのかが、実は未だに分からない(笑)。

●落語 金春亭小駒
話の構成が、
『キャラ付け』→『問題提起』→『解決1.2.3.4(小さな起承転結)』
これを大きな序破急で繰り返すタイプ。
話の展開が受け入れやすいぶん、ネタが活きてこないと期待はずれで終わりがち。洒落や駄洒落を主軸に、設定を振り回す系の話作りで、ネタ勝負であると正面切って戦ったは良かったのだが、やや尻すぼみ。
聞きやすい台詞回しも、「うん、自分ならト書きで説明省いてそのままカギカッコで並べるだけかもな」といった塩梅。受け入れやすいが、味が薄い。

●落語 古今亭志ん彌
身振り手振りに演技を交えて、「笑い」「女」というキーワードで分かりやすく「『違い』の話ですよ」という印象付けをして始まる演目。
飲んべえの親父が、息子と交わした男同士の禁酒の約定をいかにやぶるか、という前半の主軸があり、後半の主軸で息子が泥酔で帰宅してから遣り取りする後半の主軸がある。お互いの「飲む口実」「そこへの切り口」を、「違う口実」や「違う切り口」で正当化していく様が面白い。
話の中で出てきた「二升五合のお酒を~」というフレーズなのだが、この「二升五合(にしょうごんごう)」は「生麦大豆二升五合(なまむぎだいずにしょうごんごう)=南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」という民間に流行った厄除けのおまじないや、「一が一、そこに五合が半升、『ますますはんじょう 』」といっためでたい意味も隠されていたりして面白い。
最後は酔っぱらい同士の訳のわからんおわり方。あるよなこういうの(笑)。

●太神楽(だいかぐら) 鏡味仙三郎社中
いわゆる、染之介染太郎なアレ。曲芸。ジャグリングやバランス芸。
手や物に目が行きがちだが、俺はずっと足を観ていた。
べた足の親指つま先上げ(他の四指は踏み締め)で、緩く曲げた膝、腰、胸と、ひじょうに体幹がしっかりとしていて、武術的な体の動きをしていた。
ブレなく動くのは、体幹の鍛え方が違うんだろうなあ。ひじょうに力みが無い柔らかい、しかし強固な幹という印象。立派な芸であり術だよなあ。

――続きはまた次に書きます。

 ああ、ちなみに写真の自転車は盗まれたばかりの俺の自転車です。
 犯人には悔い改めるまで尿漏れする呪いをかけたぞ!

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